このページの本文へ移動

event

イベント

クラシックの雫2017 第2回  『詩人の声を聴く~優しく、儚く、そして狂おしい愛の歌たち~』スペシャルインタビュー!


クラシックの雫 2017 第2回    『詩人の声を聴く~優しく、儚く、そして狂おしい愛の歌たち~』

プログラム

越谷 達之助:「初恋」
梶 俊男:「太宰治《駈込み訴え》による歌曲」改訂版初演
真島 圭:クラシックの雫委嘱作品「アヴェマリア」改訂版初演 他

富山市出身、ヨーロッパ在住の二人の女性オペラ歌手を招き、さまざまな愛を歌う。
歌には言葉があり、言葉の中には詩人の愛のかたちがみえる

―男女の愛、母性愛、慈愛、故郷への愛、そして愛憎。
古今の名曲を集めたコンサート、どうぞご期待ください。


今回出演される出演者の皆様にメッセージをいただきました!


■橋本明希(ソプラノ)HASHIMOTO Aki(Soprano)

橋本明希(ソプラノ)

今回のテーマは「詩人の声を聴く」となっています。プログラム中で、「詩」としてお好きな一曲と、その内容について教えてください。
加藤周一作詩の「さくら横ちょう」です。日本の花の女王といえば「さくら」。昔の恋人を思い出しつつさくら横ちょうを歩く姿が、さくらの短い命と重なり合って何とも儚く情緒があります。高校生の時に出会ってからずっと歌い続けている大好きな歌です。

今回のメンバーによるクラシックの雫の聴きどころはどのようなところでしょうか。
竹内さんと在田さんは高校から大学院の先輩・後輩で、もう20年以上の付き合いになりますが、親となってからは初共演となります。お互いに色々な経験を積んで磨き続けてきた声の芸術をご披露できると思います。

富山のお客様へ、メッセージをお願いいたします。
富山で歌うのはなんと6年ぶりになります。普段ドイツでヨーロッパの言語でオペラや宗教曲を歌っていますが、やはり故郷で母国語で歌うのは特別なことです。詩も旋律も魂に染み渡って、涙なしには歌えません。皆様と素敵な時間を共有できるように頑張りたいと思います。

■在田恭子(メゾソプラノ)ARITA Yasuko(mezzosoprano)

在田恭子(メゾソプラノ) 今回のテーマは「詩人の声を聴く」となっています。プログラム中で、「詩」としてお好きな一曲と、その内容について教えてください。
詩として好きな一曲は、落葉松です。この詩は、軽井沢の自然をこよなく愛した野上彰さんが書いたものです。軽井沢の秋は寂しく、雨が降る日などは非常に冷え込みます。そんな時に雨滴る落葉松の林を1人歩いていると、寂しい思いが、次第に昔の思い出を呼び起こし、自然と涙があふれていた。 この詩に出会った小林秀雄さんはこう綴っています。 曲は高原の霧雨の中からやってくる。 やがて激しく心を揺さぶり 再び高原の秋の、 雲霧の彼方へと去ってゆく

今回のメンバーによるクラシックの雫の聴きどころはどのようなところでしょうか。
今回のメンバーによる聞きどころは、やはりそれぞれの個性ある独唱曲の他、その個性が奏でる重唱ではないでしょうか。1部ではいわゆる古典的な日本歌曲、2部では現代的な日本歌曲を楽しめるのもいいと思います。 また個人的には、叶いそうで今まで叶わなかった、中沖さんとの共演も楽しみです。

富山のお客様へ、メッセージをお願いいたします。
日本を離れ、海外に暮らす私にとっては久しぶりの日本歌曲の演奏会となります。よく、離れてから良さがわかるということはいわれます。私なりに再発見した日本の良さ、日本歌曲の素晴らしさを、郷土富山の皆さんに聞いていただける、とてもありがたい機会だと思っています。
■竹内雅挙(バリトン)TAKEUCHI Masataka(bariton)

竹内雅挙(バリトン)

今回のテーマは「詩人の声を聴く」となっています。プログラム中で、「詩」としてお好きな一曲と、その内容について教えてください。
私のメイン歌唱は、第2部の太宰治の「駈込み訴え」ですので、そちらについて。 太宰の原作を作曲家の梶さんが再編集して短くされました。自暴自棄のユダの狂気な側面を現代的な音世界が原作を際立たせます。 原作は太宰の妻によって口述筆記されたもの。「全文、蚕が糸を吐くように口述し、淀みもなく、言い直しもなかった(妻)」。 イスカリオテのユダがイエスを売った、その理由がユダの独白で描かれており、イエスへの屈折した愛から生まれた憎しみ、イエスへの嫉妬がその根本にあります。 まさに太宰治、天才のなせる至高の作品だと思います。

今回のメンバーによるクラシックの雫の聴きどころはどのようなところでしょうか。
「詩人のどのような声を作曲家が、演奏者が聴き表現するのか」これが今回の聴きどころです。日本人によって語られ、歌われた「愛」を、海外在住であって母である二人の女声声楽家が、どのように表現してくれるか、楽しみです。

富山のお客様へ、メッセージをお願いいたします。
現代音楽のスペシャリストのピアノの中村さんもおよびし、素晴らしいメンバーがそろいました。なじみの曲もたくさんございますので、どうぞ会場へ足をお運びになってください。 お待ちしております。

■中村和枝(ピアノ) NAKAMURA Kazue(piano)

中村和枝(ピアノ)

駆け込み訴えへの思いを教えてください。
昨年2016年夏に、バリトンの竹内雅挙さんと初演した梶俊男作曲《太宰治「駆け込み訴え」による歌曲》は、5部構成(未完の第2部を除いた全4部を演奏)、楽譜にして100ページ近くに渡る壮大なスケールのモノオペラのような歌曲です。演奏には超絶技巧と集中力を要し、最初に楽譜を頂いた時には演奏不可能なのではと思ったほどでしたが、竹内さんの素晴らしい取り組みによって初演を終えたときの達成感は今でも鮮烈な記憶となっています。今回貴重な再演の機会をいただき、より一層充実した演奏で作品の持つ魅力を伝えられるよう、二人で力を合わせたいと思っています。

富山のお客様へ、メッセージをお願いいたします。
2011年に富山で初演された梶俊男さん作曲の室内オペラ「斑女」の演奏に参加し、リハーサルや本番で何日も過ごし、雄大な自然と美味しいものを堪能しました。またその際、二日間の公演を満員の聴衆の皆様にお聴きいただき、芸術に対する懐の広さにも感動いたしました。誰の心にも潜む、愛と嫉妬表裏一体の狂おしい感情。現代の名作を是非お楽しみください。


■中沖いくこ(ピアノ) NAKAOKI Ikuko(piano) ●雫総合プロデューサー

中沖いくこ(なかおき いくこ/ピアノ) 総合プロデューサーとして、今回の演奏についてお聞かせください。
今回は、雫シリーズでは2回目の竹内さんプロデュースの回となります。前回は「室内オペラ」という小規模のオペラを2つ演じていただきましたが、今回はどんな企画が飛び出てくるかしら…。と楽しみにしていましたら、なんと、ヨーロッパ在住の二人の歌姫にご出演をオファーしてくださったとのこと。驚きでした。

橋本さんとは10年ほど前に一度ご一緒させていただいたことがあり、本当に久しぶりの共演となります。10年で深みが増したであろう歌に、私のピアノはちゃんと応えられるのか…頑張ります。

そして在田さんは、この雫シリーズに特別協賛してくださっている私の同級生の、お姉さまなのです。思ってもみなかった繋がりで、飛び上がって喜んでしまいました。いつかご一緒してみたいと思っていたので、今回それが叶うのが嬉しくて仕方ありません。

そんな二人をキャスティングしてくださった竹内さん。その竹内さんご自身は、今、世界中で彼しか歌うことのできない新作を引っ提げて登場してくださいます。「太宰治」の作品による歌曲とのことで、むむ、これはぜひとも…と、やはり特別協賛をいただいている呉服屋さん「牛島屋」様にご協力をお願いし、太宰治風のお着物を準備していただきました。ピアノは現代音楽のスペシャリスト、中村さん。(この曲はとてもじゃないですが私には弾けないのです!)

竹内さんがプロデュースされる、「愛」にまつわる独特の世界観。ぜひともたくさんの方にご堪能いただけますと幸いです。

クラシックの雫2017 第2回 詳細はこちら

この音楽に、このワイン


ソムリエ松谷幸司が選ぶ、音楽にベストマッチな特別なワイン。
大人が楽しむ、音楽とワインのマリアージュ・・・
コンサートの休憩時間(20分間)に、グラスで販売します。

■松谷 幸司 ワインソムリエ
松谷幸司(ワインソムリエ)
2003年独立開業、『リストランテ・ワイニスタ』オープン。毎月変わるディナーコースの料理一皿ごとに、相性の良いワインが一杯ずつ適量サーヴされる「グラスワインのコース」はオープン当初から続くワイニスタならではの魅力的なスタイル。17年3月、カジュアルでお洒落な雰囲気のイタリア食堂『ファットリア・デル・グラッソ』オープン。そして17年7月、カラオケに合わせて楽器演奏ができるバー『スタジオ・ペケペケ』オープン。

過去の「クラシックの雫」















ページトップへ